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ニュース

雑踏の中で   その二

シスターメリー・パトリシア久野

人々が行き交う雑踏をぼんやり眺めているのが好きです。 高校生の頃、ホームで目の前を行き交う人々を眺めていて、とても寂しい思いをしたことを記憶しています。 ベンチに座っている私に誰一人目を向けません。私もまた誰にも声をかけ… 続きを読む

白ヤブ椿

シスター ルース 森

白ヤブ椿 私が住む修道院の生垣の山茶花(サザンカ)が、今年は例年になく、美しい花をたくさん咲かせました。冬の間ずっと、私は自分の部屋の祈りの小卓に、この赤い山茶花の小枝を生けて元気を貰って過ごしました。先日、生け替えよ… 続きを読む

粧い

シスタージョアンナ徐

「女史箴図」は東晋(317-420)の画聖、顧愷之が西晋(265-316)の張華の「女史箴」を1節ごとに絵で表したものです。女史は「後宮の女官」、箴は「戒めの文」を意味します。張華が専横を極めた皇后一族を諌めるため自らを… 続きを読む

父の姿  その二

シスターメリー・パトリシア久野

以前「アーモンドの花が咲きました」で紹介したアーモンドの挿し木の親木を見に行きました。そこで満開のアーモンドの木の下で草取りをしていらっしゃる中年の男性に会いました。 その方にこの木について尋ねたところ、次のようなことを… 続きを読む

アイタスカ

シスター ルース 森

アイタスカ 私が何年か滞在し、また、何度か訪れたことのあるアメリカで、最も心を引かれるものの1つはミシシッピー河です。私が住んだセントルイスの修道院はとうとうと流れるミシシッピー河の河畔に立っていますし、教室ではバイオリ… 続きを読む

雑踏のなかで   その一

シスターメリー・パトリシア久野

地下鉄に乗ったとき若い女性が横に座りました。 彼女はバックからいろいろなものを取り出してお化粧を始めました。目は特に気になるらしく5、6種類のアイシャドウを使って念入りに仕上げていました。彼女は下車するまでの20分間、た… 続きを読む

シスタージョアンナ徐

道 ローマで私は繁華街よりも庶民が息づく狭い小道に入り、パンを焼く匂い、大声を張り上げ威勢よくショッピングを楽しむ市民たちに出会うのが好きでした。休日は足繁くこのような辻を歩いたものです。生活必需品を売る店やジェラトリア… 続きを読む

手紙

シスタージョアンナ徐

手紙 私は15年ぶりに東京の妹の家でお正月を迎えた。完成間近のスカイツリーや躍動する東京を楽しんだ。山手線の車窓からふと私の視野にフェルメールの絵が飛び込んできた。東京でフェルメールの展覧会が開催されていた。彼のモチーフ… 続きを読む

ラベル

シスター ルース 森

ラベル 自然が大好きな友人のお陰で、私は京都や滋賀の野山を歩く多くの機会に恵まれました。山の木々、野辺の草花の四季の移ろい。自分もこの自然の一部なのだと感じます。ある時、私が道辺に咲く小さな花を見つけて、何気なく「この花… 続きを読む

幼子

シスターメリー・パトリシア久野

昨年暮れ、ここ岩倉修道院では、例年のようにご近所の方、友人知人をお招きしてささやかなクリスマスの集いを催しました。 私の友人も5歳と3歳の姉弟二人のお孫さんを連れてこられました。いつもは同居されていないのですが、三番目の… 続きを読む