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幼子

シスターメリー・パトリシア久野

昨年暮れ、ここ岩倉修道院では、例年のようにご近所の方、友人知人をお招きしてささやかなクリスマスの集いを催しました。

私の友人も5歳と3歳の姉弟二人のお孫さんを連れてこられました。
いつもは同居されていないのですが、三番目のお子さんの出産が間近なので、暮れから新年にかけて二人をあずかっておられたのです。

二人はクリスマスの集いが楽しく、去りがたかったようで、終わってからも幼稚園で習った歌や踊りを次々に披露してお年寄りのシスターたちを楽しませてくれました。

後日、その友人に会ったとき次のようなことを聞かせてくれました。

クリスマスの集いから帰る途中、5歳の女の子は「クリスマスはお祈りするのね」と言っていたそうです。家に帰ってからは部屋の隅で静かに座っていたので、後で「何をしていたの」と聞くと「○○ちゃん(この女の子の名前)の心の中に居る神様とお話していた」という返事が返ってきたそうです。
そのお孫さんの家庭はクリスチャンではありません。宗教的な幼稚園に通っているわけでもないそうです。また、当日のクリスマスの集いが、特に祈りを重視したプログラムになっていたようにも思えませんでした。卒業生のコーラスグループも伴奏者が急に来られなくなり、急遽95歳のシスターが代わりをしましたが、耳が遠いので歌と伴奏がちぐはぐになったりしていました。
それにもかかわらずその場を祈りの場と感じ、さらに自分の中の神の存在まで感じた5歳の子供の感性に驚きました。

「神と関わるのは理性ではなく、霊の領域である」と聞いたことを思い出しました。

「幼子と乳飲み子の口にあなたは賛美の歌を歌わせた 」 詩編8
「私を信じるこの小さな者の一人をつまずかせる者は、首にロバのひき臼を掛けられて海の深みに沈められる方がましである」(マタイ18章) とおっしゃったイエス様の言葉が現実的な警告に聞こえてきます。

この小さな美しい存在を大切に育てていくことができますように。