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ニュース

「山椒の木  後日談」 (山芍薬)

シスターメリー・パトリシア久野

その後、あるところで見た山芍薬がとても気に入って、大枚をはたいて幾つかの株を買いました。初夏になると真っ白な一重の花が、卵の殻のような形で咲くのを楽しみました。 二年ほどたったころそれが、鉢ごと無くなっていることに気づき… 続きを読む

ユーモア

シスター ルース 森

ユーモア 5月のさわやかな風に誘われて、太田神社の杜若(かきつばた)を眺め、参道わきの清流に住むタゴ蛙の声に耳をかたむけ、社家の家並みに昔をしのびながら、上賀茂神社まで歩きました。上賀茂神社の境内にあるナンジャモンジャの… 続きを読む

山椒の木

シスターメリー・パトリシア久野

京都駅近くに住んでいた頃のことです。そこは民家が密集していて、庭らしいものはありませんでした。玄関の前はコンクリートの狭い路地になっていましたので、鉢や土を入れた発泡スチロールを並べて植物を育てていました。 在る時、小さ… 続きを読む

「はい」

シスタージョアンナ徐

私の修室に少しばかり憂いを帯びたルネッサンス期の聖母子像がかかっています。この小さな絵は、私のイエスに向かう旅路の導き手です。私はイエスに青春と生涯のすべてを賭けました。イエスを膝に抱き、物問いたげな表情のマリアに親しみ… 続きを読む

握手

シスター ルース 森

握手 昨年の10月、ベランダの植木鉢に小さなワイルドストロベリーの種を蒔きました。忘れたころになって、土の間から小さな芽が生え、思いがけなくかわいらしい八つ手のような葉が出てきました。三寒四温の季節が過ぎて、春の気配が感… 続きを読む

雑踏の中で   その二

シスターメリー・パトリシア久野

人々が行き交う雑踏をぼんやり眺めているのが好きです。 高校生の頃、ホームで目の前を行き交う人々を眺めていて、とても寂しい思いをしたことを記憶しています。 ベンチに座っている私に誰一人目を向けません。私もまた誰にも声をかけ… 続きを読む

白ヤブ椿

シスター ルース 森

白ヤブ椿 私が住む修道院の生垣の山茶花(サザンカ)が、今年は例年になく、美しい花をたくさん咲かせました。冬の間ずっと、私は自分の部屋の祈りの小卓に、この赤い山茶花の小枝を生けて元気を貰って過ごしました。先日、生け替えよ… 続きを読む

粧い

シスタージョアンナ徐

「女史箴図」は東晋(317-420)の画聖、顧愷之が西晋(265-316)の張華の「女史箴」を1節ごとに絵で表したものです。女史は「後宮の女官」、箴は「戒めの文」を意味します。張華が専横を極めた皇后一族を諌めるため自らを… 続きを読む

父の姿  その二

シスターメリー・パトリシア久野

以前「アーモンドの花が咲きました」で紹介したアーモンドの挿し木の親木を見に行きました。そこで満開のアーモンドの木の下で草取りをしていらっしゃる中年の男性に会いました。 その方にこの木について尋ねたところ、次のようなことを… 続きを読む

アイタスカ

シスター ルース 森

アイタスカ 私が何年か滞在し、また、何度か訪れたことのあるアメリカで、最も心を引かれるものの1つはミシシッピー河です。私が住んだセントルイスの修道院はとうとうと流れるミシシッピー河の河畔に立っていますし、教室ではバイオリ… 続きを読む