1. HOME
  2. シスターメリー・パトリシア久野 の執筆記事

ニュース

投稿者: シスターメリー・パトリシア久野

深き淵より

シスターメリー・パトリシア久野

主よ、私は深い淵からあなたに叫ぶ主よ、私の声を聞き私の祈りの声に耳を傾けてください。  「詩編130」 地震、津波、原発事故のお見舞い申し上げます。 大自然の威力の前では、如何に人間が脆く、人知と最先端の技術を尽くしたも… 続きを読む

すずめ

シスターメリー・パトリシア久野

物を整理していましたら、古い新聞記事が出てきました。 ハブがいる地方でハブによる人的被害を防ぐため、マングース30匹を放ったところ大いに増えて、特別天然記念物のくろうさぎも食べ始めた。そこで、マングースを一匹残らず駆除す… 続きを読む

ヴェールを通して  その一  手

シスターメリー・パトリシア久野

アメリカに滞在していたときのことです。 住んでいるところからふた筋ほど西に行くと黒人の方が大勢住んでいらっしゃる地域がありました。その近くで買い物をし、レジに並んでいましたら、空いている私の左手を誰かがそっと持ち上げまし… 続きを読む

修道院での会話

シスターメリー・パトリシア久野

今いる修道院には高齢の人が大勢います。耳の遠い人 記憶のあいまいな人などがいますので会話がちぐはぐになりがちですが、長年修道生活をしていますので色々な知恵もあります。 先日、歯がガタガタになったとか、入れ歯の話になったと… 続きを読む

ある祈り

シスターメリー・パトリシア久野

ある先輩のシスターから聞いた話です。 彼女は高校三年の宗教を担当していました。受験を控えた生徒にとって、直接受験に関係のない「宗教の時間」は、無駄な時間に思えたようでした。 ある時授業に行くと、窓のカーテンを引き、電気を… 続きを読む

散歩

シスターメリー・パトリシア久野

通勤していた頃、早朝「 哲学の道」で時々会う散歩の一組がありました。それは、おじいさんと、犬と猫の組み合わせでした。 おじいさんはかなり高齢の方で、家族があるのか無いのか、秋が深くなっても、着古したぺらぺらの浴衣を着てい… 続きを読む

誕生日のプレゼント

シスターメリー・パトリシア久野

彼女の二十歳の誕生日を家族で祝っていた時、突然お父さんが立ち上がって、ドイツ語でシューベルトのセレナーデを歌い始められたそうです。彼女は驚き、笑い転げ、皆があっけにとられている中、見事に最後まで歌い終わられたそうです。後… 続きを読む

名前  その三

シスターメリー・パトリシア久野

ノートルダム小学校の体育祭に行ったときのことです。 遠くから笑顔で近づいて来る女性がいました。そして「私はAです。子供が今ここの○年生です。私は今、本名の韓国名を名乗っています」と話しかけてきました。30年ほど前、高校三… 続きを読む

父の姿   その一

シスターメリー・パトリシア久野

その方の息子さんが最近一月ほど、初めての海外旅行をされたそうです。無事帰国された息子さんの体験を色々聞かせてくださいました。そして最後に「妻には○○、娘には○○のお土産がありましたが私にはないんですよ」とおっしゃいました… 続きを読む

ブルーベリー

シスターメリー・パトリシア久野

修道院の庭でブルーベリーが紫に色着きました。高齢になり足がおぼつかなくて庭に出られないシスターのためそれを摘んできました。記憶のほうも定かでないその方は、喜んでそれを口にしながら言いました。 「これ、あなたが育てたのね」… 続きを読む