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投稿者: シスターメリー・パトリシア久野

波と手

シスターメリー・パトリシア久野

小学生の時、服のまま海岸で波跳びをしていました。 太平洋から湘南の海岸に寄せて来る波が、突然 大きくなることを知らず、あっという間に足元を掬われ、波に呑みこまれてしまいました。 慌てて起き上がろうとしても、次から次と寄せ… 続きを読む

えごまの剪定

シスターメリー・パトリシア久野

毎日暑い日が続いています。昨年夏の今頃、グループで農作業をしている方々のところで一泊した時の事を思い出しています。 その日、夏の朝日が昇る前、朝4時半に集合してえごまの剪定に出かけました。 中心の一本はすでに切ってあり、… 続きを読む

抜け殻

シスターメリー・パトリシア久野

六年生の頃、友人と二人で山に登りました。 特別な目的もなく、ただ 木々を分け入って山に入っていくのが楽しかったのです。急斜面の鬱蒼とした木々の間を通り抜けると、突然 広く明るい空間が現れました。そのゴロゴロとした岩地の空… 続きを読む

修学旅行

シスターメリー・パトリシア久野

街で修学旅行生を多く見かけるようになりました。これは かつての高二 修学旅行でのバスガイド(G)さんと、生徒たち(S)の会話です。 G 「皆さんの教室の窓からは何が見えますか」 S 「木、お墓 」 「お墓 」 「お墓 」… 続きを読む

名前  その二

シスターメリー・パトリシア久野

仮死状態で生まれた妹がいました。結局、一呼吸もしないまま、名前も付けられぬまま、小さなお棺に入れて埋められ、小さな自然石が墓標として立てられました。待ちに待ったきょうだいでしたし、白いふっくらとした頬、ただ眠っているよう… 続きを読む

シスターメリー・パトリシア久野

初夏になると岩倉ではケーンケーンと雉の鳴き声が聞こえるようになります。今朝その第一声を聞きました。「え、もう!」と思いましたが、気の早い雉もいるのでしょう。 昨年、グループで農作業をしている或るところを尋ねたとき、そこの… 続きを読む

名前

シスターメリー・パトリシア久野

小学校に入る直前、両親の名前を知らされました。 両親に名前がある!!それは、大変な驚きでした。 お父さんは「お父さん」 お母さんは「お母さん」で充分で、それ以外に両親の個々の世界があることなど想像もつかなかったのです。両… 続きを読む

ナイチンゲール と うぐいす

シスターメリー・パトリシア久野

短期間アメリカに滞在したことがあります。 ある夏の真夜中、闇をつんざくように、リリリリリーと鋭く、美しい声で鳴く鳥の声を耳にしました。最初は美しいと思っていたのですが、真夜中のことですし、いつまでも高音で鳴くのでだんだん… 続きを読む

まりも

シスターメリー・パトリシア久野

コップの中に緑色の藻がうじゃうじゃとしているのが、長いこと家にありました。なんだかきたないなあと思っていましたが、誰かが時々水を足しているらしく、枯れもせず置いてありました。 ある時それは、妹が中学校の修学旅行で阿寒湖に… 続きを読む

足音

シスターメリー・パトリシア久野

冬 澄んだ空気の中では物音がよく響きます。 その神父様は、足音がよく響く古い木造建築の一階に住んでいらしたそうです。 それまで空室だった真上の部屋に、お年寄りの神父様が入られました。そのお年寄りの神父様は、朝四時には起床… 続きを読む