ある死 シスターメリー・パトリシア久野 小学生の時、鉄道自殺がありました。 友達と一緒に現場に行った時、轢死体の手足、頭、胴体等はまだ、バラバラに散っていました。 そばにいた大人達の囁きの中から聞き取りました。自殺した人はおじいさんだった事。下駄がきちんと揃え… 続きを読む 2009.05.20 シスターの散歩道
庭石菖 シスターメリー・パトリシア久野 彼女が6歳の時のことです。 お母さんと庭の草取りをしていた時、5センチ程の茎の先に、小さな星のような花を付けた草を見つけました。 あまりの可憐さに「これは抜かなくてもいいね」と言いましたが、「でも、雑草だから抜いてね」と… 続きを読む 2009.04.29 シスターの散歩道
幼友達 シスターメリー・パトリシア久野 中学一年頃の会話です。 A 「○○○○ね。」車の騒音でよく聞こえないまま。B 「うん、そうね。」A 「Bちゃん、よく言うわね。」B 「え! 何? 今、何て言ったの。」A 「私なんか Bちゃんの足元にも及ばないわね … 続きを読む 2009.04.14 シスターの散歩道
アーモンドの花が咲きました。 シスターメリー・パトリシア久野 主の言葉が私に臨んだ。「エレミアよ、何が見えるか。」私は答えた。「アーモンド(シャーケード)の枝が見えます。」主は言われた。「あなたの見るとおりだ。私は私の言葉を成し遂げようと、見張っている(ショーケード)。」 旧約聖書… 続きを読む 2009.03.25 シスターの散歩道
死屍を鞭打つ シスターメリー・パトリシア久野 彼女は4、5歳の頃おばあさんの葬式に参列しました。 まだ、土葬が行われていた頃で、大きく円形に掘った穴の中に、丸い棺桶が静かに下ろされました。参列した人は少しずつ、棺の上に土を投げ入れる習慣があり彼女にも番が回ってきまし… 続きを読む 2009.03.06 シスターの散歩道
夜の病棟 シスターメリー・パトリシア久野 長年、看護師をしている彼女にも、夜勤は大変だそうです。 昼間はしっかりしている患者さんも、夜になると不安に襲われ、夜じゅうナースコールを押す人もいるそうです。 夜、緊急事態は同時に発生することが多く、そういう時、コール… 続きを読む 2009.02.19 シスターの散歩道
ある会話 シスターメリー・パトリシア久野 Aと病気の妹Nの会話 (死の三日前) A 「ねえ、死ぬの怖くない?」N 「怖くないよ、だって、みんな 死ぬじゃない。 私が初めて死ぬのなら そりゃあ怖いけ どさあ‥‥」 あまり淡々としているので (死の前日) … 続きを読む 2009.02.01 シスターの散歩道
雪の日 シスターメリー・パトリシア久野 その方は金沢に嫁ぎました。 金沢での最初の冬のある朝、一面の銀世界に驚き、ご主人を玄関先で送るとき思わず言ったそうです。「まあ、きれい」と。すると、ご主人の手が頬に飛んできました。「今から出かけようとする人の気持ちを考え… 続きを読む 2009.01.15 シスターの散歩道
種 シスターメリー・パトリシア久野 種 ‥‥子供たちが目を輝かせて言いました。「これ、柿の種?これもらおう。」「これ、リンゴ?リンゴなる?」「チューリップの球根! 欲しい。」まだ、小さくて汚れた種や球根でしたが、それぞれの持っている美しい可能性が見事に開花… 続きを読む 2008.12.15 シスターの散歩道
赦し シスターメリー・パトリシア久野 ある人がそっと私に言いました。私はクリスチャンです。人を赦すようにと言われて来ました。でも、赦せないのです。私も神様から赦されているのだから赦さなくてはと思うのですが、―どうしても赦せないーという気持ちになるのです。だか… 続きを読む 2008.11.30 シスターの散歩道