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梅ジュースと梅ジャム

シスター ルース 森

梅ジュースと梅ジャム
  来日したばかりのアメリカ人のシスターを案内して、通りがかった梅林で、落ちている梅の実を少しいただきました。前夜のはげしい雨にぬれ、色づいてあまずっぱく香る梅の実をあらって、氷砂糖といっしょにコーヒーの空き瓶につめました。
  2,3日で水の上がったコーヒー瓶を発酵しないように冷蔵庫にいれておいて、毎日、揺すります。氷砂糖がとけ、梅の実もやわらかくなっていくようです。そこはかとなく甘酸っぱい香りを漂わせて、私が瓶をふるのを、お客さまのシスターは目を丸くして眺め、「いつできあがるの」とたずねますが、私も知らないのです。初めて作ってみたのです。
  1ヶ月の滞在が終わって、迎えの車を待つシスターにほんのすこし梅ジュースを味わっていただきました。もうすこしの熟成が必要のようにおもいますし、初めて味わう梅ジュースがお腹にさわってもいけないと思ったのです。シスターは目を輝かせて「おいしい!」と日本語でいいました。
  迎えの車に乗ってシスターが去っていった後、コーヒー瓶から梅の実をとりだして梅ジャムを作りながら、シスターとのひと夏をおもい、また、シスターの旅の安全を祈ったのでした。