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ノカンゾウ

シスター ルース 森

ノカンゾウ 何日か前、朝早くラジオをつけると、「今日の花はノカンゾウ。花言葉は『苦しみからの解放』です。」といって、大峯あきらの「萱草(カンゾウ)が咲いてきれいな風が吹く」という俳句が紹介されました。 さわやかな風に吹か… 続きを読む

天真爛漫

シスタージョアンナ徐

まだそれほど人気(ひとけ)が感じられない土曜日の朝、高野川の流れに耳を傾け、新鮮な空気を心ゆくまで味わっていた矢先のことでした。「シスター、おはようございます。」生き生きした明るい声に驚いて後ろを振り向きました。お会いし… 続きを読む

唐崎

シスター ルース 森

唐崎 年に何度か唐崎へ行く機会がありますが、その楽しみの1つは唐崎神社の前のみたらし団子のお店でひと時を過ごすことです。外国から来たお客のシスターたちを案内して行ったり、若い友人たちとにぎやかに焼きたてのお団子を食べたり… 続きを読む

笑い

シスターメリー・パトリシア久野

修道女として学校に勤め始めたばかりのことです。 授業中に何気なく言った言葉に生徒が一瞬ざわめきました。隣同士意味ありげにニヤッとしたり、一人で下を向いて笑ったり‥‥女子高校生の集団に慣れていない身には何事が起こったのか気… 続きを読む

「故なく」

シスター ルース 森

「故なく」 「故なく(理由もなく)」という言葉は否定的な意味合いで使われることが多いと思いますが、何年かまえに、ノートルダム小学校6年生の修養会で、西神父さまがこの「故なく」という言葉をつかって「愛とはどういうものか」に… 続きを読む

「山椒の木  後日談」 (山芍薬)

シスターメリー・パトリシア久野

その後、あるところで見た山芍薬がとても気に入って、大枚をはたいて幾つかの株を買いました。初夏になると真っ白な一重の花が、卵の殻のような形で咲くのを楽しみました。 二年ほどたったころそれが、鉢ごと無くなっていることに気づき… 続きを読む

ユーモア

シスター ルース 森

ユーモア 5月のさわやかな風に誘われて、太田神社の杜若(かきつばた)を眺め、参道わきの清流に住むタゴ蛙の声に耳をかたむけ、社家の家並みに昔をしのびながら、上賀茂神社まで歩きました。上賀茂神社の境内にあるナンジャモンジャの… 続きを読む

山椒の木

シスターメリー・パトリシア久野

京都駅近くに住んでいた頃のことです。そこは民家が密集していて、庭らしいものはありませんでした。玄関の前はコンクリートの狭い路地になっていましたので、鉢や土を入れた発泡スチロールを並べて植物を育てていました。 在る時、小さ… 続きを読む

「はい」

シスタージョアンナ徐

私の修室に少しばかり憂いを帯びたルネッサンス期の聖母子像がかかっています。この小さな絵は、私のイエスに向かう旅路の導き手です。私はイエスに青春と生涯のすべてを賭けました。イエスを膝に抱き、物問いたげな表情のマリアに親しみ… 続きを読む

握手

シスター ルース 森

握手 昨年の10月、ベランダの植木鉢に小さなワイルドストロベリーの種を蒔きました。忘れたころになって、土の間から小さな芽が生え、思いがけなくかわいらしい八つ手のような葉が出てきました。三寒四温の季節が過ぎて、春の気配が感… 続きを読む