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時計

シスター ルース 森

時計
  近くのサンクスへコピーをしに行きました。刷り上るのを待ちながら、ふと壁の時計に目が行きました。見る人への心くばりでしょう。二つの針のうち、短針だけが赤く塗られていて、よく目立ちます。
  思えば、これまでにいろいろな時計に出会ってきました。若いときに学校の父兄面接でお会いした学者のお母さんが研究していると話されたアブラムシの体内時計、あるデパートの壁に掛かっていた時計が黒猫の形でしっぽが振り子になっていたこと、時を告げる音とともに鳩や人形が飛び出してくる時計。
  私自身は、時計には不運で、あたらしい時計でも、すぐに何度も修理が必要になってしまい、また、金属アレルギーもあるらしく、時計を身に付けない習慣になりました。1日のスケジュールや約束の時間をたがえることのないように工夫をしますが、外出のときなど、最近は、自分の体内時計を頼りにするようになりました。
  印刷した用紙の重さを手に感じながら修道院へ帰る道すがら、自然も人もそれぞれの時の流れを生きている、そして、それぞれの時の流れをやさしく包む大きな流れのなかに自分がいるように感じました。聖書の使徒言行録の17章27節の「我らは神の中に生き、動き、存在する」という聖パウロの言葉が思い出されました。