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「私は誰か」

シスター ルース 森

「私は誰か」
  ずっと以前、京都駅ちかくのホールであった、石井完一郎先生 主催の、「私は誰か」という講座に出たことがあります。単位をとる学生もまじる大人数の階段教室でした。
  私たちは、まず、会場を歩いて、できるだけたくさんの人と握手をして挨拶するように言われ、最後の人と組になってすわりました。次に、相手について「あなたは○○のように見えます。」と、10のことを伝え、次に「あなたは○○の方だとおもいます。」と判断したことを10、話すようにと言われました。私が相手に伝えたことは、彼の年齢のこと以外は合っていました。彼が私について言ったことは、20とも、すべて合っていたのですが、彼は最後に「でも、あなたはどういう方なのですか」と私に尋ねます。とまどいながら「私は修道女です。」と、言うと、「ああ、それで分かりました。」と彼は言ったのです。
  思えば、それからも私は、「私は誰か」を問いつづけてきたと思います。ナチスの強制収容所から生還したヴィクトール・フランクルはその著書に、「人は一人ひとり彼自身しか達成することかできない使命を神から与えられており、常にどう生きるかを問われている存在である。そして、どのような状況にあっても、彼自身にとって意味ある生き方を選ぶことができるのだ」と、自分の体験から書いています。キリストに倣って生きようとする修道女の私も、日々の生活の場で求められる1つひとつの事がらに、私の心の深みから真摯に応えようとするときに、私の「私は誰か」が実現していくのでしょう。