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シスター ルース 森


  ご近所からいただいて、粉のようだと思いながら蒔いたペチュニアの種が、芽生え、6月はじめに真っ白な初花を咲かせてから、7月下旬の今にいたるまで、薄いピンクの花から濃い紫までの色や形や模様のちがう花々を、手品のように繰りだして、私を驚かせてくれています。そして、最近、枯れた茎についている乾いた苞が1つ、割れて、見覚えのある小さな種がつまっているのを見つけました。
  小さなペチュニアの種を知ってから、いつも気になっていたことがあったのです。それはカラシダネについて、「…地上のどんな種よりも小さいが…」(マルコ4:31、他)という、聖書の中のイエスさまの言葉です。私の机の引き出しの種の箱のなかを探して、ずっと以前にもらった小さなビニール袋に入っているカラシダネの種を見つけだしました。その種はペチュニアの種よりずっとずっと小さい、あるかなしの小ささです。
  「神の国を何にたとえようか。それはカラシダネのようなものである。土に蒔くときは、地上のどんな種よりも小さいが、蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」と、神の国は神の恵みと愛の連帯によって実現するのだと、イエスさまは説いておられるのだと思います。
  私の書の先生が、聖書を全部読み、カラシダネという言葉を選び、漢字で彫って、私のお祝いに下さった書におす印をもっているのですが、改めて先生に感謝しながら、私の修道生活を深めていく励ましとしたいと思います。