言葉で挨拶をする代わりに、印刷した挨拶の言葉を貼ってあるのを見かけました。その人は一言も発せず、こちらの顔も見ず、ただ品物を渡してくれました。 帰り道、ふと随分前の体験を思い出しました。 その時は、かなり見通しのいい細い…　続きを読む

「完全であるようにではなく」　　私たちの修道会では毎年、国外から数人の会のシスター方を招いて共に生活し、知り合い、また、日本とその文化を紹介する3週間のプログラムをもっています。今年、私たち、係りの者たちは、長い時間をか…　続きを読む

去年、五月に実家に行ったとき、庭の梅の実を採ってきました。 実家は誰も住んでいなく空き家になっていますが、時々、風通しに行っています。観賞されることも無く、枯れてしまった芍薬の傍に梅の木があり、20ほどの大きな実を着けて…　続きを読む

「かけっこ」　　1つのカトリック幼稚園にかかわっている1人のシスターが可愛い話をしてくれました。その幼稚園の「かけっこ」のクラスの目標は、園児たちが仲間の子供たちと競争して早さを競うのではなく、1人ひとりの園児が、自分が…　続きを読む

「蕾（つぼみ）」　　昨年の秋、近くの植物園の苗木屋さんで、ほんのりと赤紫の実をつけた苗木の鉢をみつけました。「ツルコケモモ」という名の下に（クランベリー）と書かれています。シリアルの中の赤い干しクランベリーの実やお祝いの…　続きを読む

「父よ、一つに」　　２月なかば、長崎の立山にある黙想の家で、一週間の年の黙想をしました。立山は４００年前、外国人や日本人の司祭たちや３人の少年をふくむ日本人キリスト者たちが、信仰のために十字架にかけられて命をささげた特別…　続きを読む

中学生の時、引っ越した庭に、始めて目にした一輪の花が咲いていました。 ３０センチほどの高さの一本の茎の上に、紫色の藤のように房になった花が、上を向いて咲いていたのです。葉は天狗の団扇のような形で、下のほうのは大きく、上に…　続きを読む

チューリップ　　早春のある朝、洛北の植物園を歩きました。人影はまばらですが、正門ちかくの花壇ではたくさんのチューリップがいっせいに５センチほどの葉をのばしています。やがて色とりどりの花を楽しむ人々や、ならんで写生にふける…　続きを読む

マラソン 今年も３月１１日が近づいてきました。 数年前の３月１１日は東日本大震災復興支援を目的として京都市民マラソンが実施されました。 日曜日でしたのでミサに行くつもりで地下鉄を下車しましたが、教会への道がマラソンの往復…　続きを読む

カワセミ（翡翠）　　１月には珍しい小春日和に、私は高野川の西側の土手をあるいていました。あたたかな日差しを身にあびて、生きる喜びがわきあがってくるのをかんじました。ふと見ると、川面へさし出ている１本の枯れ枝にちいさな鳥が…　続きを読む