別れ
別れ
ある日曜日の朝、教会にゆく道で、わかい父親らしい男性が、2人の子供を自分の前と後ろに載せてはしってゆく自転車にであいました。後ろの小さい女の子は「家に帰る!ママのところに帰る!」と大声で泣き叫んでいます。思えば、人は、子供も大人も、心の痛む大小さまざまな別れを体験しながら、生きています。
重いガンを患っていた1人のアメリカ人の友人のシスターが、最後に分かれるとき、「別れは終わりではないからね。始まりだからね。」と、私に言ってくれたことが思いだされます。確かに別れは、いつも他の1つの新しい出会いの始まりです。
私の霊的指導者だった別のアメリカ人のシスターは、私が帰国するとき、「悲しいと感じるかもしれないが、その気持ちから逃げないで、その悲しみに留まっていなさい。」と、言ってくれました。そうしていると、やがて心が平和になり、静かな喜びと感謝が生れてきて、前に進んでいく用意ができたことを覚えています。そして、別れの痛みは、人の心をやわらかく、やさしくし、他の人の痛みをともに担えるようにしてくれるように思います。
特に、フランシスコ教皇は今年を「御父のようにいつくしみ深く」生きる年にしようと呼びかけておられます。その勧めに応えたいと思うこの頃です。