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「やってごらん」

シスター ルース 森

「やってごらん」
  何年も前、ソウルの小さな修道院で、2人の韓国人のシスター方と3週間いっしょに住む機会にめぐまれました。出発に先立って、お世話してくださった、太子道にあるコリアンセンターのシスターマリアが、「韓国語の歌を1つおぼえて行って、歌ってあげると、よろこばれますよ」といわれます。歌が苦手だという私に、「それがいいんです。上手だと、聞く人はききほれているだけだけれども、下手だといっしょに歌って助けてくれるのですよ」と、言われました。
  滞在中のある日、1人の信徒の女性が、ちょっと遠出になる1つの殉教地へ案内してくれました。途中、私の韓国語がつたないので、すぐに話題がなくなってしまいました。彼女は歌をうたいあおうといって、つやのある美しい声で歌いはじめ、私にも歌うようにと勧めます。韓国語の歌は覚えられていなかったのですが、歌の苦手な私も思い切って、童謡や小学唱歌をうたって、楽しんだのです。
  教会はいま、キリストのご復活を祝っています。聖書にある、ガリレア湖に漁にでた弟子たちが、岸に立つ復活されたイエスさまに促されて、網をうって、たくさんの魚をえ、イエス様とともに食事をする場面が私は大好きです。そして、日常の生活の中で、私に「やってごらん」と、促されるイエス様にいつも従っていきたいと思うのです。