自然
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去年のクリスマスにも早咲きのアマリリスの株の鉢をいただきました。10週間もたつと開花するということなので、2月の「祈りのテーブル」に飾りたいと思い、すぐに水をやり始めました。2週間ぐらいして葉が出てきて伸び始めましたが、ふと見ると葉の脇に花芽もついて、その茎が葉の背丈をこえてどんどんと高くなっていきます。葉をはさんで反対側にももう1つ花芽もつきました。5枚まで増えた薄い葉はすっかり成長を止めてしまったように見えます。
いつか私の中に花の茎の成長を引き止めたいという思い、茎が葉をこえて成長してほしくないという思いがあることに気づきました。これまでの経験から、葉が大きくなったあとに花が育つのが当然で、当たり前でない花をテーブルには飾れないという思いです。その私の思いをよそに、やっと6センチほどになった葉の脇に花茎は30センチにもなりました。
なるようにしかならないと諦めた私に余裕ができて、アマリリスの株の鉢が入っていた箱を眺めると、箱に描かれた絵では確かに花の下に葉があります。そういうアマリリスなのだとわかって気楽になりました。育てる者の責任はただ環境を整えて、そのものが本来の姿になるのを助けるだけなのだと改めて気づく体験になりました。