ノカンゾウ
ノカンゾウ
何日か前、朝早くラジオをつけると、「今日の花はノカンゾウ。花言葉は『苦しみからの解放』です。」といって、大峯あきらの「萱草(カンゾウ)が咲いてきれいな風が吹く」という俳句が紹介されました。
さわやかな風に吹かれて心が洗われる思いで、手元の紙にこの俳句を書きとりながら、このような風景の中にいた体験があると思いました。それは信州の美ヶ原という標高2034m、面積5km平方もある高原で、グライダーの練習もするというゆるやかな大草原に、高山植物にまじって萱草が咲き、さわやかな風にゆれている風景です。修学旅行で中学3年生の生徒たちを引率した何年も前の夏のことです。
日本を訪問するアメリカ人のシスターたちがお土産に持ってきてくれたり、また、アメリカのお菓子屋さんの店先に縄状にして下がっているのを見たりした「リクイッシュ」というちょっと薬のような味のするお菓子はこの萱草を成分としており、また、萱草は日本でも実際に薬として使われたと聞いています。
大自然の中に人をいやしてくれるかずかずの植物が備えられていることに今更ながら天の配剤を感じるとともに、東北の災害で苦しんでおられる多くの人々の「苦しみからの解放」を改めて心から祈らずにはいられませんでした。