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シスタージョアンナ徐


 ローマで私は繁華街よりも庶民が息づく狭い小道に入り、パンを焼く匂い、大声を張り上げ威勢よくショッピングを楽しむ市民たちに出会うのが好きでした。休日は足繁くこのような辻を歩いたものです。生活必需品を売る店やジェラトリア(アイスクリームの店)へ行く道を前もって調べて行きますが、それを道行く人に直接尋ねるのも好きでした。人々の優しさやジョークそして人情味あふれる飛切り人懐っこい笑顔が返ってくるのです。笑顔と率直さが言葉の壁を乗り越えさせてくれ、ローマを一層好きにさせてくれました。
 道には広い道もあれば舗装された道、でこぼこ道もありましたが疲れもせず歩きまわりました。時を刻み、人々を遠くへ運んだ道、アッピア街道は外国へと通ずる可能性に富んだ道でした。商業、経済、外交、学問、芸術等々を求め、世界から人々が集まるこの都市にはそれに匹敵するだけの魅力が備わっています。私はこの都市に住みながらその魅力を肌で感じました。
 5年間、6ケ国のシスタ方と生活しながら様々な考えがあることを学びました。そして自分も尊重されてきたことを感謝のうちに思い起こします。分かち合う中で彼らが紆余曲折を乗り越え、自分の道を着実に歩んできたことを、その表情や会話から読み取ることができました。解らなければ率直に質問し、率直に助けを願うあのおおらかさを決して忘れることはできません。
 かけがえのない人生の道、「旅は道連れ、世は情け」と歌った先人たちに心を留め、世が世だからこそもっと互いに助け合い、仲良く歩めたらと、北山通りを散歩しながら思いました。