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東京の「よきサマリア人」

シスタージュディス鎌田

95歳になる母が転んで怪我をしました。同居の姉が美容院に行った間のことです。郵便でも取りに出たのでしょう。玄関を出て門までのことでした。

どれぐらい時間がたっていたでしょうか、通りかかった見ず知らずの青年が声を掛けてくださいました。「これはちょっとやそっとの怪我ではない。」「家人を呼んでも応答がない。」「何とかしなければ・・・」と、吹きさらしの戸外で蒼白な顔をしていた母に取り敢えず自分の上着を着せ掛けてくださいました。

そこへご近所の若いアメリカ人のお母さんも驚いて近寄り、なお寒そうな母にまずご自分のセーターを着せ、嘔吐しているのに気づいてご自分の手袋で拭き取り5歳の坊やに家からティッシューペーパーを持ってこさせられました。日ごろお付き合いがあった方ではありません。日本語が分かられないので、救急車を呼ぼうにも助っ人同士の意思疎通もできないところへご近所の老婦人が通りかかられました。

早速お向かいのY家に連絡され、すぐY夫妻が駆けつけ救急車を呼んでくださいました。救急車が到着、「家に入れていただければよい。救急車には乗らない。」と頑張る母を説得してY夫人が一緒に救急車に乗り込まれると「よきサマリア人」たちはホッとしてそれぞれの生活に戻って行かれたとのことです。何も知らずに帰ってきた姉に、待機してくださっていたY氏が一部始終を語ってくださいました。

何かと慌しい12月、人の関わりもとかく希薄になりがちな東京の一遇で、これほど多くの外国人を含む老若男女が忙しい仕事や予定を差し置いて「よきサマリア人」として母を助けてくださったことに感動しました。クリスマスを待つ待降節に神様から頂いたプレゼントでありメッセージでした。もしあのまま姉が戻るまで母が地面に横たわっていたら、肺炎を起すなどの大事に至っていたことでしょう。

「よきサマリア人」の皆さんとそのご家族に、クリスマスの祝福が豊かにありますようにと祈ります。因みに母は大腿骨骨折で12月10日に手術を受けることになりました。手術の成功と順調な回復のためにもお祈りください。