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コロナに思う  < 下 > コロナ対策の「英雄」

シスタージョアンナ徐

  去る5月11日付け読売新聞7面の「韓国 コロナ対策の『英雄』」と題した記事が目に留まりました。コロナの英雄とは?と怪訝に思いながら記事を読んでいくうちに韓国の疾病管理本部(政府の保健福祉部『省』の傘下組織)の本部長である鄭銀敬(チョン・ウンギョン)博士であることが分かりました。彼女は韓国政府から次官級の権限を賦与されています。感染症が流行すればそのルートを詳細に調べ、対策の陣頭指揮を執る」など彼女は多岐にわたって激務を果たされています。

 

  1月20日、初めて韓国にコロナが発生して以来、ほとんど毎日、記者会見で記者団の質問に丁寧に応答される鄭銀敬博士の姿が印象的です。また、彼女は緻密な情報分析に基づき冷静さを保ちながら会見に臨んでいます。誰もが理解できるよう、感染状況や予防対策法を正確に説明されるので、人々は彼女の言葉を全幅の信頼をもって受け入れています。そのためでしょうか、韓国国民と鄭博士が率いる疾病管理本部との距離が次第に縮まっています。記者会見での彼女の説明は、研究者であると同時にその説明からは温かさが感じられ、心を込めて命の大切さを訴えるのです。

 

   記者団と国民に向かって、慰労と励まし、それからコロナ感染予防のために守らなければならない基本的な事柄、例えば、マスク着用、Social Distance (3密)、手洗いの実行を忍耐強く呼びかけています。また、記者団の質問に即答できない場合は現在調査中で、判明次第報告しますと応えられます。「いつもご協力ありがとうございます」と記者団と国民に向かう姿勢に自然に頭が下がります。

 

   彼女の穏やかな説明や謙虚な態度そして研究者としての思慮深い姿勢に国内外( ~例~ 4月5日の米ウオールストリート・ジャーナルが『韓国の英雄』と題した記事を掲載)から異口同音に賛辞が送られています。

 

  毎日、記者会見の様子を目の当たりにしていますが、彼女はまさにコロナの『英雄』であり敬意を表します。そして一日も早いコロナの終息と心身の健康が保たれますよう祈ります。