「えい!」
「えい!」
ママといっしょに私のすむ修道院へ遊びにきてくれる4歳の男の子のお気に入りの場所は、窓辺のほそい棚の上です。彼は小さいときから、この高さ80センチ、巾40センチの棚のうえに、腰かけ、立ち、寝そべり、あらゆる遊びを考えだしました。カーテンでかくれんぼ、電話遊び、おやつをたべ、紙マイクで歌い、本を読み、絵をかき、お勉強をし、飛行機を飛ばし、自分も床へ飛びおりること。
そして最近は、棚からすこし離れたところにママを立たせて、ママの胸にとびこむこと。始めは、慎重に身をためて、思いきって空間をとんで、しっかりとママに受け止めてもらいました。何度もママに向かってとんだあと、「今度はシスター」というので、私はおそるおそるママと同じところに立ちました。4歳の男の子が私の胸に飛び込んできた衝撃はそうとうなもので、私はどうにか彼を受けとめられて、ほっとしたのでした。
空間をとぶという初めての試みには、そうとうな決意と信頼と勇気がいったことでしょう。小さな男の子の信頼と彼の体の衝撃が、私の心に深くのこり、私自身が修道生活への招きに応えたときのこと、そして、日々の生活のなかでの神へのゆだねと重なりました。それにしても、私が神にあたえる衝撃の重さはそうとうなものに違いないと思うのです。