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ずいぶん長い間、

シスターメリー・パトリシア久野

  ずいぶん長い間ご無沙汰していました。実は、私、昨年1月にくも膜下出血に倒れ9月まで入院していました。今も左手足は、不自由ですが、病気発症から今までの間に感じたことなどを書いてみたらという励ましのお言葉などを頂きましたので、不自由をかこって嘆いているのではなく 、そのようにした方がいいと思うようになり、やっと一字ずつ書き始めました。またよろしくお願いいたします。
  膜下出血を患ったと聞くと多くのひとが、「それくらいでよかったですね」と言います。ある人によるとその病で倒れた人の30%は死亡。30%は重篤な後遺症が残るそうです。手を前に出すことも、上にあげることも。動かすと痛いし、足で立つことなど思いもよらない事でした。そういう中で思いました。「当り前と思っていたことは実は当り前では無かったと。そう思って目の前に並べられた食事を見てきづきました。「このわかめを採るため、誰かが海に入って波しぶきをうけたのだ。このミルクを得るため、誰かが牛の世話をしたのだ。私は牛の為、草一本採っていないのに。誰かが乳を搾ったのだ。殺菌するため誰かが…と言うように思っていくと、多くの人のご苦労の上に、自分の生が支えられていること。またそういうことに全く心を止めず、感謝をしてこなかった自分の姿が見え始めました。今からでも遅くない。色々な事に感謝してこなかったことをお詫びし、これからは見えない事の裏に人のご苦労とご親切を見、感謝の内に日々過ごしたいと思うようになりました。いずれ生を終えるのですから、今頃であっても気づかせていただいてよかった。今からでも遅くない気づいた時がスタートだと思いました。感謝します。