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「完全であるようにではなく」

シスター ルース 森

「完全であるようにではなく」
  私たちの修道会では毎年、国外から数人の会のシスター方を招いて共に生活し、知り合い、また、日本とその文化を紹介する3週間のプログラムをもっています。今年、私たち、係りの者たちは、長い時間をかけ、念入りに計画をたてたのですが、間近くなって、状況が変わったり、小さなミスが重なったりしたのです。始めは、あわて、がっかりし、自分たちを責める気持ちにもなったのですが、私はやがて、人間とはそうしたものだと思うようになり、緊張がとれ、それからは物事がスムーズに進行したように思います。
  ちょうどそんなとき、「私たちは完全であるようにと神から招かれているのではなく、謙遜であるように招かれているのだ」というジャン・バニエの言葉にであいました。彼は心身障害の人々と共に住むラルシェ(ノアの箱舟)という世界中に140ものネットワークをもつ共同体の創立者です。「弱く、助けを必要とする時にこそ、私たちは人間になるのだ…弱さは恵みなのだ。」と、彼はいいます。
  自分が弱いこと、助けを必要とする者であることを、おそれず、認め、受け入れるとき、人は他の人に対してオープンで、優しくなれるのではないでしょうか。「疲れたもの、重荷を負うものは、誰でもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。わたしは柔和で、謙遜な者だから、わたしのくびきを負い、わたしに学びなさい。(マタイ11.28-29)」というイエス様のことばが思い出されました。