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四旬節

シスター ルース 森

四旬節
  教会は今、復活祭をむかえる前に、6週間つづく四旬節のあいだ、イエス様のご苦難とご死去をしのびます。ずっと以前、私はアーンプライヤーという、カナダの古い町で1年間すごしましたが、その年の四旬節に、教会で初めて出合った1人の老婦人から、ある日曜日の午後のお茶に招待されました。
  そのお宅の門から玄関へと向かうとき、老婦人の不自由な歩みに気づいた私に、彼女がほほ笑みながら言った「I can’t complain. I had a ball.( 私は不平を言えません。楽しい人生だったのだから。)」という言葉が、私の心に残りました。その午後、庭の景色をながめながら、気持ちよく暖められた居間で、お茶と手作りのクッキーに、楽しい語らいで、彼女は日本を遠く離れてくらす私をなぐさめてくれたのです。
  この1月に大きな手術をうけて、長い療養が予想されて不安な気持ちでいるときに、彼女のこの言葉と心遣いをおもいだしました。私たちのために苦しみを、その身に負われたイエス様を思いながら、この四旬節を意味あるものにしたいと思います。