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チーズ

シスターメリー・パトリシア久野

その神父様は修道院で生活なさっていました。
その修道院では食事のときチーズが大きな塊のまま出て、各自が自分に必要なだけ切り取って次の人に回すそうです。
ある時、隣の人が、チーズを、4分の1のところで切り分け、そのおおきいほう、つまり4分の3を自分の皿に取り、残りの4分の1を次の人に渡されたそうです。

そしてその神父様は澄ました顔でおっしゃいました。「そういう時、あと何人いるのにとか、人のことを考えない人だと思わず、その人がお腹を壊しませんようにと、心の中で、祈るのですよ」と。人を裁かないとはそういうことかと妙に納得して聞いていました。実生活の中で、このように祈るのは難しいことですので心に残っています。

朝食に、チーズがでるたびに思い出します。