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蓮華草(レンゲソウ)

シスターメリー・パトリシア久野

蓮華草(レンゲソウ)
  あるところでゲームをしました。白い紙をたてよこ三つに折る。すると9つの升目ができます。そこに、あるテーマのもとに自分が思いついた言葉を入れます。1升にひとつずつ言葉を入れ、ほかの人が書いたものとおなじものがあったらしるしをつける。これが縦か横または斜めに3つ連続したらビンゴと言って、出来上がりましたと宣言することになります。
  そのときのテーマは「春がきたなあと感じるもの」でした。書いた人が読み上げていきました。「桜。菜の花。蝶。若葉。つくし。入学式。タンポポ。チューリップ。竹の子。陽炎。蓮華草。暖かい風。」同じものがあったら、自分の紙に印をするのです。数名の人が自分ものを読み挙げていくうちに同じものに出会います。人が読み上げているのを聞いていると、懐かしい光景が浮かびあがってくるものもあります。
  「蓮華草」と聞いた時、子供のころ、遊んだ山里の光景を思い出しました。ピンク色の連華がほとんどでしたが、真っ赤なもの、真っ白なものも時々ありました。お母さんと子供が一緒に蓮華を摘んでいる光景を見て「母と子の思いそれぞれ蓮華草」と、句にしたこともあります。「お母さんは子供のころを懐かしんでおり、子供は今の状況を楽しんでいるのですね」と、感想を言って下さった人もありました。また「やはり野に置け蓮華草」と言う句もあります。「やはり」と言う語に深い洞察に基づいた、謙虚さ、優しさ、暖かさを感じます。
  私も、今回の病気で、いろいろな面での限界を強く感じるようになりました。限界をありのままの現実として受け入れ、この限界をかかえた者として生きていく。そこで落ち着いて花咲いていきたいなあと考える今日この頃です。