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小百合(さゆり)

シスター ルース 森

小百合(さゆり)
  修道院の聖堂の十字架のもとに、今年、初めて咲いたユリの花をかざりました。厳しい炎天下のベランダで小ぶりながらも美しく咲いたのです。何年も前に、北海道から種をいただいたこのユリが、台湾原産の高砂百合(タカサゴユリ)だと、今年になって初めて知りました。日本原産の白いテッポウユリと似ていますが、外側に明るい海老茶色の線が入っています。
  世界中の100種のユリのうち、ヨーロッパに自生するユリは12種、アジアに自生するユリは59種。ヨーロパでは、イスラエル原産のユリがマドンナリリーと呼ばれ、明治になって日本の永良部島の白ユリがイースターリリーとして愛され、中国のリーガルリリーが持ち帰られて、園芸上、多くの新種が生まれているとのこと。
  「小百合(さゆり)」の「さ」という接頭語は、神や精霊を意味するとのこと。ユリは神にささげられる神聖な花として、古くからキリスト教会でも禅宗のお寺でも飾られているのだと納得しました。「百合(ゆり)」の語源が知りたくて、図書館に行き、「揺れる」から来ていることは分かりましたが、なぜ、「百合」という漢字をあてるのか、今のところ、答えは見つかりません。
  私はたくさんの鱗片葉が集まっているユリ根から来ているのではないかと思っています。
ユリの花は、互いを尊ぶ人々のこころが花開いた姿、愛と一致のシンボルではないでしょうか。