銀杏(ギンナン)
銀杏(ギンナン)
私たちの1つの修道院の庭にある銀杏の木が、たくさんの実を落していると聞いて、今年は何度も拾いにいき、知り合いの人々とも分かち合いながら、神の恵み、天地の恵みのギンナンをうれしく味わっています。
銀杏の木は、植物の化石といわれるほど古い歴史をもっていると読んだことがあり、そこはかとなく心がひかれます。原始時代の人々も食物としたでしょう。中国原産の木と辞書にありましたが、アメリカや韓国でもこの木を見、韓国にいたある秋の夜、韓国人のシスターたちが威勢のよい音をたてて電子レンジで焼いたギンナンを、いっしょに食べたこともなつかしく思い出されます。
植物は、動物が嫌う匂いを出して身をまもり、また、一方、種をおおっているその硬い殻は、余分な発芽を抑えているのだとか。植物のふしぎな力と天の配剤をかんじます。
昨日、ラジオで、外国語になった日本語の話をしているのを聞きましたが、銀杏もその1つだとのこと。銀杏を英語では「ギンコ」といいますが、日本で古く銀杏を「ギンキョウ」と読んだ例があるそうで、これが英語の「ギンコ」になったのだろうとのことでした。
思いにふける私をよそに、修道院の銀杏の木は、たくさんの実をおとし終えて、しずかに身を休めているようです。