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「 お客様をお迎えする 中 」

シスタージョアンナ徐

「お客様が来られました。」との声が玄関から聞こえてきました。

「よくいらっしゃいました。」と家族が全員、笑顔で彼らを出迎えました。もちろん、今日のお客様をお迎えする主人公は母です。いつも笑顔を絶やさない彼女の穏やかな姿が今日は一段と素敵に見えます。「寒いですね。そのままお上がりください」と語りかけています。天井に届くかと思われるほど背の高い、若いお客様をもう一人連れて来られたのです。お客様が母にその若い方を紹介しています。初めての対面とは思われない若い方と母との会話がほほえましく、こちらまで引き込まれそうです。彼はまだ日本語もたどたどしいのですが、目と目を合わせ母と話しながら頷いています。

座敷に通された外国のお客様は次第にリラックスしてきたようです。お茶をお出しし、頃合を見て食事に入ります。さあ、私たち女性の出番です。客間の会話の進行具合を見ながら彩りよくテーブルに料理を並べました。今日はいつもと違い、お客様に食事の祝福をお願いしました。「最後の晩餐」を髣髴とさせる光景です。グラスにワインが注がれ、威勢の良い「乾杯」の音頭がとられました。楽しい食事の始まり……!

私たちとの触れ合いを通して、お客様は故郷のご家族のことを思い出しているかもわかりません。彼らには我が家の料理が珍しいようで、食べ方や料理の由来等への質問が多々ありました。兄弟たちがそれについて説明しています。英語が飛び交い、相互に言葉の不足を補い合うのですが、チンプンカンプンの時もあって、爆笑の連続でした。「お客さまとの会話を大切に」と心を配っている母の幸せな様子も視野に入ってきます。 料理人の私たちにも質問が向けられ、我が家の料理の秘伝を披露し、いっそう親密さも増してきました。