心の化粧水 その2
その彼が「いつも笑顔でいてください。時には顔の筋肉を動かしたり、微笑む練習をすれば美しくなれますよ。神と人とを心から愛するのです。」とおっしゃいました。ところがその彼のごく平凡で日常的な話がこれほどまでに人をリラックスさせ、早朝からミサに集められた人々を虜にしたのは彼自身の柔和なたたずまいとあたたかさだったのです。愛と微笑みは私たちに「幸せと健康」を運んできます。
聖なるミサ聖祭が終わった後、彼に挨拶しました。「シスター、ずいぶん長い間、外国にいたのですね。韓国語が少しおかしくなってきたようです。」 私は「日本で生まれました。旅人です。神父様、今朝のお話、とても心惹かれました。原稿をいただけませんか。」彼は笑顔で「ほんのサマリーですよ」とおっしゃり2枚の原稿をくださいました。
その翌日はトラピスト修道司祭の最後のミサです。ミサの後、別れと感謝の挨拶をしました。彼はその私に「シスター、今日も必要でしょう?」とおっしゃりさりげなく原稿をくださいました。私の貧しい韓国語理解を察してか、6ページにわたるわかりやすい原稿をこの私のために準備してくださったのです。彼のやさしさが有難く何度も読み返し、今も両手を合わせたくなります。彼との出会いは神からの思いもよらないプレゼントでした。