アマリリス
　　秋の日差しがやわらかくなった夕方、鉢植えのアマリリスの株を庭に移し植えました。一昨年のクリリマスにいただいたこの株は早咲きとのことで、土の上に半分 出ている球根にかからないように、すぐに水をやり始め、昨年の３月には早くもみごとな花を咲かせました。株が太ったので、ひとまわり大きい鉢に植え替えて、今年、また花が咲くのを待ちました。ところが、周りに生まれた６つの子株の葉をどんどん育てていきながら、親株は肝心の花芽をいっこうにつけず、花の季節は過ぎてしまいました。
　　今年の花を諦めた８月の初め、年の黙想に行く前に、８日分の水をたっぷりやっておこうと鉢をみると、親株の葉の底に花芽をつけているのが見えました。そして、８月の終わりにはしっかりと太い茎の先端に２つのみごとな花を咲かせまました。６つの子株を育て、２ヶ月も季節を過ぎながら、最後に自分の大きなうつくしい花を咲かせたこのアマリリスの株に私は、聖書の箴言３１章に描かれている有能な妻の面影を見て微笑まずにはいられませんでした。
　　庭に移し植えたアマリリスの親子の株が、私の目には見えない天の配剤と大地の恵みを受けて、来年はいつ、そして、どのような花を咲かせるのか楽しみです。