馬ぶねに
馬ぶねに
ご降誕祭が近くなって、修道院の客間のテーブルの隅に、クリスマスらしい飾り付けをしようとしました。ガンダーラ更紗のハンカチの上に、小さな木彫りの聖家族像と、秋の林で拾った松かさを置きました。そして、その後ろに、試験管を木の台に立てた花入れに、庭で摘んだ山茶花の一枝を像の上に挿しかけるように活けて、今年のご降誕の場面ができました。
ルカ福音書には、「彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布に包んで飼い葉おけに寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」と書かれています。若いヨセフとマリアは、ちょうど揺りかごにできた馬ぶねに眠るみどり児イエスを慈しみ、飽かず眺められたことでしょう。
硬い人の心をなごませ、解き放ち、やさしい心を引き出してくれるみどり児として、救い主がこの世に来られた神秘を、深く味わいたいと思います。