誕生日のプレゼント
彼女の二十歳の誕生日を家族で祝っていた時、突然お父さんが立ち上がって、ドイツ語でシューベルトのセレナーデを歌い始められたそうです。彼女は驚き、笑い転げ、皆があっけにとられている中、見事に最後まで歌い終わられたそうです。
後でお母さんから聞いたところによると最初の子である彼女が生まれたとき、お父さんは「この子が二十歳になったら、その祝いにシューベルトのセレナーデを歌おう」とおっしゃったそうです。以後ずっとその日を楽しみにしていらしたのでしょう。
彼女とは幼友達でご両親も良く知っていましたし、ご両親の結婚までの素敵なロマンスも聞いていました。
二十歳になるまで、自分に対する周囲の思惑など無頓着に生活していた彼女にも、深く重い両親の愛がしっかりと伝わったようでした。
ご両親にとってはただ、彼女が存在するだけで大きな喜びだったに違いありません。
主はお前のゆえに喜び楽しみ
愛によってお前を新たにし
お前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる
ゼファニア書より
あなたが居るから嬉しい!!
条件付きではなく、互いに存在そのものを喜び合えるようになりたいものですね。
彼女の誕生日は10月です。