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ニュース

8月6日

シスター ルース 森

8月6日
 交換留学生として、外国から東京の大学に来ている若い友人が、帰国を前にして京都へ来るというので、駅まで迎えに行きました。新幹線を降りたところで、動かずに待っていてくれることになっていたので、簡単に会うことができると思っていました。
 東京駅を今発つところだという連絡があったので、頃あいを見計らって家を出て、京都駅に行き、プラットホームに出て、列車が着くごとに、ホームの端から端まで、何度も探して歩きましたが、見つかりません。かれこれ1時間も往復して、これはおかしいと思い始めました。プラットホームいたJRの職員の方にお願いして、放送して貰いましたが見つかりません。家に電話して、彼女の携帯電話の番号を手にいれ、やっと連絡が取れましたが、彼女は自分がどこにいるのか説明できません。駅の1階にある案内所へ行って、放送を頼んだところ、彼女もしばらく前にここに来て、私を呼び出す放送を頼んでいたことが分かり、私たちはやっとここで落ち合うことができました。
 この日はちょうど広島に原爆が投下された記念の日でした。その時、私の姉も女学校の1年生で、この日、市内の勤労奉仕に駆り出され、行方知れずになって亡くなった多くの学生たちの1人です。姉の消息を捜し求めて何年も尋ね歩き、亡くなる日までずっと姉の帰りを待ち続けた父の姿が思い出されました。この日に亡くなった十数万の人々の苦しみと、身内を失った多くの人々の痛みと悲しみを改めて思い起こした1日でした。