朝の祈りが終わり、朝食を始めるのが大体７時１０分前くらいです。私たちは三々五々、各自の条件に合わせて食堂に入り、必要なものをお皿に乗せて席に着きます。食後すぐに学校へと向かう日は、ゆっくりしてはいられない朝食の時間なのですが、それでも毎朝見過ごせないのは、ガラス戸の外で繰り広げられるスズメたちの朝食風景です。

　いつから始まったのか知りませんが、係りのシスター（？）が毎朝パン粉を撒いてあげます。７時少し前くらいになると、一羽か二羽のスズメが様子を見にやって来ます。用意が出来でいないと、近くの木のてっぺんに止まって待っているのです。どこからともなく飛んでくるスズメが集まると、多い時には十二羽くらいになるのでしょうか。

　シスターたちが動きをやめて朝食を始めますと、スズメたちも一斉に飛んで来て、食卓を囲むのです。まるで、そこにいるのが当然なコミュニティーのメンバーを見る思いになります。でも、誰かが立ち上がったり、ガラス戸の傍を通りかかったりすると、間髪をいれずに揃って飛び立ち、木の上に避難するのです。スズメの様子を映像に残そうと何度も試みたのですが、できませんでした。近くの席でカメラを手にしただけで、さっといなくなります。

　ところが先日、わざと遠くの席からガラス越しにカメラを向けてみましたら、やっと少し成功したようです。カメラを構えて、何度もシャッターを切ったのですが、平気で食べていました。よっぽどおなかがすいていたのでしょうか。それとも私に同情して撮らせてくれたのでしょうか。

　イエス様が天の御父の慈しみについて人々にお話になっていたナザレの野にもスズメたちが群がっていたのでしょうね。イエス様のお話の中にスズメたちが登場しています。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シスターアンミリアム木村