ある会話
Aと病気の妹Nの会話 (死の三日前)
A 「ねえ、死ぬの怖くない?」
N 「怖くないよ、だって、みんな 死ぬじゃない。
私が初めて死ぬのなら そりゃあ怖いけ どさあ‥‥」
あまり淡々としているので (死の前日)
A 「ね、生きたいと思わないの。」
N 「それは私だって生きたいわよ‥‥秋は私たちの銀婚式だし‥‥でも、
居なくなるのは 私だけなんだし‥‥私がワアワア言ったら、残った人が、
ああしてやればよかった、こうしてやればよかったと思うでしょう‥‥
そう思ったら可哀想だしね‥‥」
A 「えらいわねえ、そんなふうに思うなんて。」
N 「そんなことないよ‥‥みんな そう思うんだと思うよ‥‥姉さんだって‥‥」
次の日、2月13日の夜、Nは静かに48歳の生涯を終えました。
他の人のことを思うとき、自分の生き方、死に方も見えてくるようですね。