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ネパールからの便り

皆様、今年は例年にも勝る酷暑を経験なさっているとお伺いしましたが、今もその暑さは続いていますのでしょうか。残暑お見舞い申し上げます。こちらは春先から引き続き雨に恵まれ、自然界は緑にあふれています。間もなく雨季も終わることでしょう。

さて、バンディプールでは、冬の終わりの常にない寒さの中、人食い豹の跳梁で子供達や家族、村人たちは怖れ、嘆かせられていましたが、それにとって代わり、世界中のコロナの猛威の知らせに戸惑うばかりの今日この頃を過ごしております。コロナ防止のために324日からネパール中がロックダウンされました。ここバンディプールでは、他に見聞きするほどにはコロナの恐れも広まっておらず、地元の人々は誰も罹患しておりませんでした。唯、インドから帰国した人々を2週間隔離する村の学校で感染が起こり、食事の世話をする人、医師、警察官にも感染者が出、病院は閉鎖されました。感染した人々は都市の病院に隔離され、2週間の治療と検査を受けて全員無事に帰ってきました。

コロナに対抗する医療のないネパールでは用心のための自粛規制が続き、通行禁止、商店、オフィスの閉鎖、日雇い労働など(農業以外の)一切の生産活動が禁止され、ひたすら自宅待機が強制され、政府からのお布施米が与えられても、貯蓄のない生活苦から自殺する人が出るほどでした。 罹患者数や死亡者数が少ない割には、規制からくる国民の生活への影響が大きすぎるという批判もあり、漸く地域的な交通やオフィスの働きが緩和され、遂に722日にロックダウン解除が宣言されました。

一方、数日間続いた大雨のために土砂崩れが起こり、ある村では大勢の人々が家を失くし、死亡しました。バンディプールでは、自動車道は不通になり、この前の大地震後に建てたコンクリート建ての家の前後が土砂崩れで、土台の柱がむき出しになったという話も聞きました。道路の土砂はブルドーザーで整理され、数日後に開通しましたが、家屋を流され、家族を亡くされた方々の痛手は如何ばかりかと案じられます。

さて、多くの子供達の集まる学校や保育園は閉鎖のままです。ノートルダム校では、教科書を配布し自宅学習を促しています。都市にある学校ではインターネットを通して授業をしている所もありますが、本校では生徒の自宅にコンピューターがある可能性は少なく、電波の届かない村もあるという状態ですので、コンピューター学習は不可能です。まじめな生徒達は教科書で自学習をし、家畜や畑の仕事など親の手伝いをして喜ばれていますが、遊びまわって、親の言う事を聞かないという子供達もあり、嘆きのことばも聞こえてきます。

8月10日に漸く地域自治体から、新学期準備のため教職員が出勤し、事務所は新年度の受付を始めても良いという許可が出ました。817日からは授業を開始しても良いが、コロナ蔓延を防ぐ方法を考えるべしという暫定案が出されました。早速、本校では、812日に職員会議を持ち、対策を検討しましたが、その翌日には、再び10日間のロックダウン延長が伝えられました。今年度の学校教育はどうなるのでしょうか。

このような状況の中でも嬉しい知らせは、33名の10年生が良い成績で卒業したことです。昨年度2019年には100以上の生徒が奨学金の恩恵を戴きましたが、その中の一人アスミタさんは父親の死後、ずっと奨学金でノートルダム教育を受け続けることができ、昨年末に京都のND小、中学校から訪問して下さった方々にネパールダンスを披露し、長年のご援助に感謝を述べる事の出来たラッキーな生徒です。今年無事に卒業することができました。

 感謝のうちに、バンディプール シスター一同