コロナに思う <上> 病原菌を調べる
思いのほか長引いているコロナについて私は4月以降、一日も早い終息を願いながら一冊のノートに日本、韓国そして世界のコロナの趨勢と統計を記録するようにしてきました。備考欄には特記事項として世界の出来事その他を記録し、自分なりの観察を続けています。この記録をつけるという習慣は小学生の頃にまで遡ることができます。
随分昔のことになりますが、小学生の理科の時間、病原菌に関する宿題が出ました。これはグループ研究なので、早速、友人宅に集まり、研究方法について話し合いました。幾つかのテーマを取り上げ、病原菌、その形や実態、それぞれの問題点や予防方法、地域別の伝染経路その他たくさんの課題があることが分かってきました。友人たちと調べていくうちに、菌に対する興味と恐ろしさも解ってきました。気づかない間に私たちの体内に潜み、体を蝕む菌が命取りになることもあると知ったときは恐怖に慄きました。調べた内容を模造紙に、できるだけわかり易くまとめたことが、ついこの間のことのように鮮明に思い出されます。
その頃は結核も流行しており、野口英世による黄熱病、コレラ、マラリア、腸チフスやジフテリアその他たくさんの病原菌を取り上げ、好奇心をもって調べていきました。まるで一人の研究者にでもなった気持ちで宿題を仕上げ、発表当日は友人たちと菌の恐ろしさを訴えました。
数十年経った今、あの頃とは格段の差はありますが、恐ろしさという点では伝染性は以前にも増して強力で、得体の知れないウイルスに怯えるさなかに私たちはおかれています。「3密」の重要性が世界的に叫ばれている今、誰もが命の危機に直面し、このコロナに積極的に向き合い、地球家族の一員として感染の経路や予防方法を知ること、衛生管理を徹底することの大切さを実感しています。それと同時に官民一体となって相互理解を深め協力する必要性を感じます。
毎日、治療に専念しておられる医療従事者の皆様の献身的なお働きに感謝、そして心からの声援を送ります。また、病床でコロナと闘っておられる患者さんには一日も早い平癒を祈ります。