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「まど」

シスター ルース 森

「まど」
   ノートルダムの1つの修道院の部屋をお借りして、毎月、祈りの会をしています。今月の会のために、その部屋に行ったところ、テーブルの上に「終わったら、窓を閉めて下さい」という私あてのメモが置いてありました。 「前回、窓のカーテンを閉め忘れたご注意かしら」と、思い、ちょっと緊張しました。会が終わって、参加者の一人が「窓が開いているかもしれない」といって、開いていた窓を閉めてくれました。部屋の空気をかえ、涼しくなるようにと、窓を開けておいてくれていたのだと気づくとともに、素直にそのご好意に気づけなかったことを、申し訳なく思ったのでした。
   何日かたって、私の友だちで3歳9か月の男の子がママといっしょに尋ねてきてくれ、帰るとき、門の近くのアリの巣を見てまわったあと、自転車の側で彼を待っているママのところに来て、「夕方になったから、窓を閉めなさいって言ってあげたよ」といいました。自分が暗さを怖く感じるので、アリたちもそうだろうと思いやるやさしい心と素直さに心打たれ、また、アリの家にも窓があるという豊かな想像力と行動力に感動するとともに、ほほえまずにはいられませんでした。
   優しい心と想像力をそだて、事実をそのままに気づき、素直に受けいれることができたら、日々の生活はどれほど平和だろうかと思ったのです。