「かけっこ」
「かけっこ」
1つのカトリック幼稚園にかかわっている1人のシスターが可愛い話をしてくれました。その幼稚園の「かけっこ」のクラスの目標は、園児たちが仲間の子供たちと競争して早さを競うのではなく、1人ひとりの園児が、自分が前に走ったよりも早く走ることを目標にしているのだそうです。
最近、走るのが得意な園児に、走るのが苦手にみえる一人の園児と一緒に走ってくれるようにと頼んだ時のことです。先生に頼まれたとき、その子供が、ふと、「○○ちゃんは早く走りたいと思っているのかなあ」とつぶやきました。ハッとしながら、その先生は走るのが苦手に見える子供に「早く走りたい?」とたずねました。「うん」とその子は答えました。
この話をきいた私たちのうちの誰も、その結果をたずねませんでした。きっとその園児は元気に走ったことでしょう。この子供は自分が大切にされたことが分かったでしょう。そして、自分が選んだことを一生懸命やった喜びを感じたに違いありません。