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幸せ

シスターメリー・パトリシア久野

数年前ある研修会に行ったときのことです。

電車の中で、疲れ果てたようなご婦人が隣に座って自分のことを話してくださいました。

一年前まで自分の人生は人も羨むような順風満帆だった。
自分は大資産家に嫁ぎ二人の息子は希望通りの大学に進学。長男は、最近ノーベル賞を受賞した人と、同じような研究をしていて世界中を飛び回っている。その長男の子は全国でも有数の進学校に入って、周囲の人にうらやましがられていたが、半年ほど前、長男の嫁が高校生と中学生の息子二人を残して交通事故で即死してしまった。毎月、長男の家と夫のいる自分の家との往復をしているがもうくたくたである。どうして私にこんなことが起こったのだろうか。世の中にはいろいろなことがあるとは聞いていたが、まさか自分がこのような目にあうとはと、ただただ現状を歎いていらっしゃいました。

そのように疲れ果てても、中学一年生のお孫さんをしばらく預かることなど‥‥全国有数の進学校からの転校は考えられないようでした。また、お孫さんのところにしばらく住むことも地元の方々の手前、面子が赦さないということで、ただ「なぜ私に」と、以前の生活が崩れたのを歎いていらっしゃいました。

今も報道されている「東日本大震災」の被害者の方々の姿を、あの方はどのような思いで見ていらっしゃるのかしらと、時々思うことがあります。

「何を以って幸せとするか」ということが問われているようにも感じました。

クリスマスは神が人となってお生まれになった‥‥「救い主イエスがお生まれになった」‥‥ことを祝う日です。

自分は何から救われたいのか、本当の意味で幸せになるためには何から救われる(開放される)ことが必要なのかを、自分に問う機会です。

「なぜ神は人となられたのか。その方はどのような一生をお過ごしになったのか」多くの方が聖書を紐解き、新しい世界と新しい価値観で喜びのうちに日々生活されますように願っています。

よいクリスマスの準備がなされますように。