見えないものを見る
見えないものを見る
金子みすずは童詩「星とたんぽぽ」に、「青いお空の底ふかく/ 海の小石のそのように/
夜がくるまで沈んでる/ 昼のお星は眼にみえぬ。/見えぬけれどもあるんだよ/ 見えぬけれどもあるんだよ」と歌っています。ほんとうに私たちは、目に見えないものの存在に気づかないで過ごしがちです。
毎年、秋が近づいてくると、市川市に住む妹が私に、おいしい市川の梨を送ってくれます。その箱には一枚の紙が入っていて生産者の名前が書いてあります。今年はもう一枚の紙が入っているのに目が留まりました。その紙には生産者ができるだけ農薬を使わないようにしてこの梨を育てたことや、梨を収穫するまでの季節ごとの作業が紹介されていました。果樹への施肥や枝の剪定、花や幼い果実の間引き、丁寧な収穫と出荷など、このおいしい梨が私の手もとに届くまでに、多くの心遣いや苦労があったことを改めて知り、心を打たれました。
思えば、地球上に存在するすべてのものは、互いに関係し、支えあっているのですね。
目に見えないものの存在を大切に思い起こしながら、豊かに生活したいと思います。