大切なことはただ1つ
大切なことはただ1つ
昨年11月24日に長崎で行われた188殉教者の列福式に参加しました。3万人もの人々が国の内外から集まり、マカオから帰って来た殉教者たちの遺骨も安置され、500人もの司祭、司教様方とローマ教皇代理のマルティンス枢機卿の列席のもと、白柳枢機卿の司式で列福式ミサが行われました。460年前にフランシスコ・ザビエルが播いた1粒の種がこれほど大きく育ったのを目の当たりに見て、深く感動しました。
それにつけても、この460年間に5万人もの人々が殉教したことを知り、また、今回、司教様方の「殉教者略歴の紹介」を聞いて、心に痛ましさを感じずにはおられませんでした。
列福式が終わり、何人かの殉教者たちの出生地や活動の場、また、その遺跡を見る巡礼をした後、私の心が明るく、さわやかになっていることに戸惑いを覚えたのでした。
つい最近、アントニー・デ・メロ師の「心の歌」に、「何もかもなげうって、死さえもいとわないほど価値のある宝が見つかったときこそ、人はほんとうの意味で生きる。」という言葉に出会いました。殉教者たちがそうであったこと、私も心の奥底で、それを感じ取っていたのだと分かったのでした。