ちびっこジェントルマンのエスコートを受けて
京都に梅雨入りが報じられた6月中旬、突風を伴ったこの日は一日中雨が降り続いていました。
午後4時ごろ、松ヶ崎駅でバスから下車しました。かなりきつく雨が降り気温も下がっています。時たま突風も重なり傘は既に壊れてしまいました。杖と傘、そしてキャリーカートを持ち、小さなポシェットを肩にかけた私は降り口で降りしきる雨に戸惑っていたのでしょう。傘をささずに降りかけたとき、「濡れますよ」と言って両脇からそっと傘を差してくれたのは二人の小さな男の子たちでした。見知らぬ小学生で内心とても驚き、一方では嬉しさもこみあげてきました。さわやかな笑顔の二人のジェントルマン! 彼らの制服からノートルダム学院小学校の児童だとすぐわかり一層の親しみとうれしさがわいてきました。この素敵な体験は生まれて初めてで驚きと幸せが交差したものです。
改札口へ向かう途中、彼らは「どちらのシスターですか」と質問し、すぐ「ノートルダムよ」と答えました。ごく自然に身内意識が感じられました。「どちらまでですか」との質問に「国際会館駅までよ」と答えますと「僕たちもです。」との答えが返ってきました。彼らは私のキャリーカートと傘をもってくれ最後までしっかりエスコートしてくれたのです。「何年生ですか。名前は?何が好き?」と質問しますと「4年生です。算数と体育が好きです。」としっかりした口調で答えてくれました。国際会館駅で別れ、同伴してくれた小さな二人の紳士に心から「ありがとう」と感謝を伝え、彼らの幸せを祈りました。ここ数日、この体験を反芻し、ご両親や先生方のご指導に感動しています。暗いニューが日常茶飯事の今、何とさわやかな入梅の初日を飾る明るいニュースだったことでしょう。