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シャロームだより49ー1

1. 太平洋戦争後75年に関わる3つの事柄に目を向けましょう!

①≪核兵器禁止条約の発効≫:2021年1月22日に核兵器禁止条約が発効します!

75年前、2発の原子爆弾が投下されて以来、このような兵器は人類の上に2度と使われてはならないという切なる意志を共有する人々の輪が広がる一方、国家レベルでは、より強力な核兵器開発によって自国の「安全」を守り、世界を支配する力を獲得しようと国家間で競う動きも広がりました。前者を動かすのは、思いを共有する個人と組織のネットワーク力、後者を動かすのは、国家の権力、財力、政治力ですから、前者が後者をしのいで世界を動かすことはできないだろうとあきらめの気持ちを持つ人も少なくなかったと思います。

ところが予想に反して、2017年7月7日、核兵器禁止条約は国連加盟国の3分の2を超える賛成多数で成立したのです。9月20日から国連加盟国による条約の署名と批准が始まりました。条約の批准国が50ヶ国に達してから90日後に条約は発効することになっていました。3年たった今年の7月7日に批准国は40ヶ国でした。ところが、10月24日の国連創設75年目に当たる日に批准をしたホンジュラスが50ヶ国目の批准国になったのです。そして2021年1月22日に条約が発効することに決まったのです。地球上から核兵器がなくなる日が来ることを祈りつつ信じ、あきらめずに前進して行きましょう。(シャロームメモ第20号1.参照)

 

②≪世界人権宣言≫に基づく日本の入管法見直しが求められます

カトリック新聞は現在『人間の大地で、今』というタイトルで「非正規滞在の外国人」への人権侵害を考える連載記事を掲載中です。第二次世界大戦時は人権思想が極めて未熟であり、多くの凄惨な暴力行為が各地で起きました。この悲劇を2度と繰り返してはならないとの反省から、戦争が終わって3年目の1948年12月10日、第3回国連総会において、世界人権宣言が採択されました。人権が、世界における自由、正義、平和の基礎だからです。難民条約も世界人権宣言に基づき、1951年に難民の人権を守るために造られた条約です。日本は加盟国ではありますが、難民申請をした人のうち、認定を受けた数は昨年でも0.4%と極めて低い数字にとどまっています。難民認定を申請しても却下された人々は、入管の施設に無期限に収容されるか、強制送還されています。仮放免されても働くことができません。

こうした状況を知った高校生が、この現状を短編映画『働くって、なんだろう』にまとめたことが『人間の大地で、今』に取り上げられています(11月1日号2ページ)。知ることと伝えること、行動に移すことが世界を変えるのだ、ということを痛感させられます。

 

③シンポジウム『戦後75年と憲法』を憲法9条の使命を改めて学ぶ機会に・・・

戦後75年の今年は、カトリック正義と平和協議会設立50年にもあたります。この機会に日本カトリック正義と平和協議会は表記のシンポジウムをオンラインで開催し、その記事を『JP 通信12月号』に掲載されています。世界に平和をもたらすために主が来られるクリスマスの祈りのヒントに目を通していただいてはいかがでしょうか。各修道院でも購読しておられるかと思いますが1冊同封しますのでご活用ください。