1. HOME
  2. ニュース
  3. シスターの散歩道
  4. 新しい年

ニュース

新しい年

シスターアン・ミリアム木村

 新しい年

1月7日、ノートルダム学院小学校、後期後半の授業が始まった日の朝、恒例の書初め大会が行なわれました。

学校に着くのが遅かったので、低学年の教室しか見ることができなかったのですが、そこに普段と違った充実した静けさを感じて「ああ、いいなあ」と、うれしくなりました。
練習を終えて、いよいよ清書に取りかかる前なのでしょうか、背筋をピンと伸ばして目を閉じ、呼吸を整えていたのは1年生のクラス。「やるじゃない!」と声を出さずにつぶやいて、邪魔をしないように、そっと戸をしめました。
つぎつぎと書き上げていく2年生、今日は誰の声も聞かれず、物音すら消えてしまったようです。明るい日差しが教室いっぱいに広がっていました。

1月11日、「書初め展」が始まりました。NDホールには選ばれた作品が、学年ごとに掲示されています。廊下も、階段の踊り場も、個性的な作品であふれていました。語りかけてくるような筆使いに出会うと感動で押しつぶされそうになります。「平和希求」(5年生)の一つもそうでした。「平和」学習に取り組んだ5年生。筆力にこめられた思いが伝わって来るような、見事な作品に出会って、しばらくその場を動くことができませんでした。

ふと、われに返って思い巡らしました。「ずっと以前、現役で活動に没頭していた時にもこんな感動の機会は沢山あったはず。児童の姿も活躍ぶりもすばらしかったはず。それを深く、じっくりと味わっていたのかしら。何か追い立てられるように、先へ先へと走っていなかったかしら。」

思いがけず、再び、小学校の教室に、ほんの少しだけ、入る機会を戴いて、もう、5年目が終わろうとしています。毎年、毎年、私の喜びと感動は深く、新しくなっているのに気付きます。それで、誰にも聞こえないように、そっとつぶやいてみました。「年を重ねるのも悪くはないな」といってしまうと、誤解されるかもしれない・・・「いいことだ」これでは平板すぎる・・・「素晴らしい」ちょっと格好良すぎる・・・。

もたもたしている私に新しい年が明けました。恵みの年です。