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クリスマスの意味

シスタージュディス鎌田

 97歳の母に先月9人目の曾孫が生まれました。男の子です。名前は菊実君。同じ家に住んでいるので、食事の度に顔を合わせます。初めは誰かに抱かれている菊実君をあやしたり、頭を撫でて楽しんでいましたが、今では自分の膝に載せて大満足。母は菊実君が来てからすっかり元気になりました。最近は耳が遠くなって電話に出るのもおっくうだった母ですが、自分から電話に出るようにもなりました。週2回通っているデイサービスのスタッフの方に『鎌田さん、何かいいことがあったのですか。この頃とてもお元気ですね。』と言われたそうです。

 生まれてから1ヶ月余り、菊実君はひたすら愛され、世話を受け、泣いて、笑って、お乳を飲んで眠る日々のようでしたが、実は「人を元気づける」という大きな仕事をしていたのです。赤ちゃんには存在するだけで人を元気にする不思議な力があるようです。

 もうすぐクリスマスです。異民族支配に苦しんでいたユダヤ教徒が永年待ち焦がれた救い主(メシア)到来の日ですが、メシアはスーパーマンとしてユダヤ人を苦しめる異民族を征伐したわけではありません。メシアは赤ちゃんとして生まれました。王子として王宮に生まれたのでもなく、庶民の子として、しかも出産環境としては最悪の馬小屋で生まれたのです。キリストの誕生が2千年前のユダヤ教徒だけでなく、今も世界中で祝われるわけがここにあるのでしょうか。

 「愛され、世話を受けることが人に喜びと元気を与える。」今年のクリスマスも、世界中の、特に喜びと元気をなくしている人々にとってそのような体験の機会となりますように。

 クリスマス、新年おめでとうございます!