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オオセンナリ

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オオセンナリ(黒ホウズキ)
 秋の気配が濃くなって、オオセンナリが結実を急いでいるようです。千成ホウズキというもう1つの別名のとおり、たくさん咲いた花が落ちた後、ガクが大きくなって小さな丸い実を包んでいます。
名の分からない小さな種が成長して花をつけ、友人たちやインターネットのお陰でナスやトマトと同じナス科のオオセンナリだと知りました。昔の人たちが鬼灯という漢字を当てたあのホウズキの仲間でした。ドイツでは健康によい食べ物として、この赤いホウズキが店でも売られ、長野県でも栽培されていて、ほのかに甘くて小さなデザートトマトのようにおいしいと聞きました。
同じナス科でもオオセンナリは食べられません。晩秋の清澄な陽を受けて、赤い実を透明に輝かすヒヨドリジョウゴも仲間で、毒ですが、ヒヨドリだけはその毒に当たらないとか。小さな鳥の食べ物を確保してくださる天の配剤を感じます。心を和めてくれる藤色の花を咲かすオオセンナリも、その他の役割も貰っているのかも知れません。
1粒の種が植物の世界の多様性を私に教え、私の世界を幾重にも広げ、また、夢を与えてくれました。