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えごまの剪定

シスターメリー・パトリシア久野

毎日暑い日が続いています。
昨年夏の今頃、グループで農作業をしている方々のところで一泊した時の事を思い出しています。

その日、夏の朝日が昇る前、朝4時半に集合してえごまの剪定に出かけました。


中心の一本はすでに切ってあり、その周囲から出ている枝を三本残し、その三本をそれぞれ三節目の上から切る作業でした。お手本を見て「ふん、ふん、三本残してそれぞれ三節目の上から切るのね」とわかったつもりで始めました。

ところが、始めてみると、一株ごとに事情が違うのです。
一節ごとに枝が出ているので、三節残すとかなりの枝が残るのですが、節があっても枝が出ていないもの。出ていても弱々しいもの。残す三本の枝をどれにするのか。根元のほうから出ている立派な枝はどうするのか等々。さらに、枝は直角に働く力には弱く、すぐ茎から外れてしまいます。

その株にとって、どうするのが一番良いのか株を前にしてとまどいました。他にも困っている人がいました。一人の人は自分なりの基準を決めて、どんどん剪定していました。
結局、切り取った物も役に立つのだからと自分を納得させて作業を進めました。

物事に、大きな原則はあっても、個々をしっかり見ることの大切さを感じさせられた作業でした。

長い教員生活の中、時間に追われて個々を見るゆとりも、優しさも無く、原則の中で多くの大切なものを切り捨ててきたに違いないと感じました。
もう、戻らない時間ですが‥‥。

せめて これからの日々、原則と個々に対する基準‥‥本来同一のものでしょう‥‥キリストの指し示しておられる基準を見失わないように生活したいと思いました。