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シスターメリー・パトリシア久野

初夏になると岩倉ではケーンケーンと雉の鳴き声が聞こえるようになります。
今朝その第一声を聞きました。
「え、もう!」と思いましたが、気の早い雉もいるのでしょう。

昨年、グループで農作業をしている或るところを尋ねたとき、そこの玄関横の鳥かごに見慣れぬ雛が入っているのを見ました。雉の雛ということでした。

そこの農業は有機栽培で行われていますので、作物もよく育つ代わり、雑草もとても大きくなります。その一月ほど前、草刈り機で雑草を刈っていたところ、雉の首が飛んできたそうです。雑草の茂みの中に巣を作り、卵を抱えていた親鳥が、草刈り機の音に逃げもせず卵を守ろうとしため、首を切られてしまったのです。
声もたてず、ただ草刈り機が遠のくのをじっと待っていたのでしょう。

可哀想に思ったグループの人が、孵化器を購入し孵した雛だったのです。

「雉も鳴かずば打たれまい」とは言いますが、他の命を守って鳴かなかったため、首を飛ばされた雉もいるのです。

「エルサレム、エルサレム、‥‥ めんどりが翼の下に雛を集めるように、私は幾たびあなたの子らを集めようとしたことか」と歎かれたイエス様、私たちを救うため十字架にかかられたイエス様のお姿が、心に浮かんだ一瞬でした。