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重陽の節句

シスターアン・ミリアム木村

重陽の節句
 「シスター、二歳の女の子が、先日なくなりました。細菌性髄膜炎から脳死になって、去年11月から入院していた子で、シスターにもお話ししたことがあったかと思います。」

小児科医として歩み始めたばかりの卒業生が、大切な命の変容を伝えてきました。
医師として関わった彼女は、その子供の両親とは全く別な次元で、引きずり込まれるような喪失間を味わったのではないかと、私は心を痛めました。が、

「死ってなんなのか・・・二回の“死”を経験したお父さん、お母さんとお会いしてから考えています。」そう書いた後、彼女は自分自身で、一つの回答を出していました。

「“死”は生なのだ。死ぬと人は心の中に、一番大事なところに生きつづける」と。

今日は「重陽の節句」。旧暦の祝いでは菊酒を飲んで長寿を願います。そんな日、
「立派なお医者様になりつつあるあなたへ」と、私は彼女に話しかけています。

2009年9月9日   シスターアンミリアム